この感じが好きな人にはクセになる作家なんだと思います。
けれども、もう一歩!って感じがあって、個人的には非常に惜しい、というところです。
武術の旧家に育った青年が主人公です。
この設定はとっても新鮮で、「斬る」という言葉を現代劇で発することができる人たちが登場します。立ち回りもあるし、武術の心得的なことも出てきて、そのあたりのウズウズ感も満足させてくれます。
その主人公と彼の家族、親族、主人公のガールフレンドだった女性の家との因縁、死刑廃止運動などが絡み、守るべきもの、愛するものとの絆や葛藤が描かれています。
ただ、刀が出てくるのだから当然と言えば当然なのでしょうが、血生ぐさい展開になるし、話自体、けっこう悲惨です。
ミステリとしては、早めに黒幕がわかってしまうので、読みどころは主人公の生き様ということになります。
その生き様は、潔いのかも知れないけれど、剣の達人ならばそうなのかも知れないけれど、警察へ行った方が良かったんでは・・・?と思ってしまいました。
もちろん、それじゃ話にならない訳だけど。
要するに私は、主人公が刀を振り回して、相手が死んでも仕方ない、という状態になるのが、ちょっと残念だったのでした。
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