2008年09月17日

「狐笛のかなた」

「守り人」シリーズで人気の上橋菜穂子、初めて読んだのがこの本でした。
いや〜、面白かった!

人の心が聞こえてしまう少女と、呪者によって命を縛られ、穢れた仕事に使われるしか生きる術のない"霊孤"が、お互いのために命を懸ける、その悲しくて美しいさまには心を揺さぶられました。
戦国の世を思わせる背景に霊力が絡み、今の時代ではどうやってもピンと来ない「宿命」のようなものが主人公たちに重くのしかかります。
けなげな"野火"の描かれ方には脱帽です。細かい描写に、孤独で淋しい野火の痛ましさがよく出ていて、涙なしには読めませんでした。

著者の作品には、色々な立場の人が、その立場ゆえの選択や戦いに身を投じる様子がよく出てきますが、そこに悪意や憎しみはあまりなく、置かれた立場を全うすべく生きているだけなのだとわかるように描かれているのですよね。そこらあたりが、とても好きなのです。

実はファンタジーや子供向けの本は食わず嫌いしてました。
考えてみれば、子供向けの本は、相手が子供なだけに虚飾がなくて気持ち良い。質が高いと、ほんとに「良書」と呼べるものが並ぶわけですね。それに気付けてよかった。

狐笛のかなた (新潮文庫)
狐笛のかなた (新潮文庫)上橋 菜穂子

おすすめ平均
stars読み始めたらとまらない。
stars夢中で読みました
starsこれぞファンタジー!!
stars切ないラスト
stars剣と魔法のファンタジーの王道

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「狐笛のかなた」 上橋 菜穂子
Excerpt: 「精霊の守り人」の作者・上橋菜穂子さんが送る中世日本を舞台にした美しいむかしばなし、「狐笛のかなた」。 ●不思議な力を持つ娘、幽閉された少年。使い魔とされた霊狐。 傷ついた狐・野火を偶然たすけ..
Weblog: 日々の書付
Tracked: 2008-10-09 23:46
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