2008年09月18日

「タンゴステップ」

ヘニング・マンケルの、ヴァランダー警部ものじゃないミステリです。ナチスを題材にしている本書が、ドイツでベストセラーになったという解説に惹かれて購入。

ナチス戦犯を、イギリス人の処刑執行人が処刑するシーンから始まります。
ナチスについて、"人の心に潜む狂気は、他の国で発現していてもおかしくなかった"という、深く恐ろしい洞察が語られた後、スウェーデンの森で斬殺された、元刑事の操作へと話が進んで行きます。

これはミステリで、犯人探しも最後まで緊張感を強いられる面白さですが、読みどころはやはり、ナチスの狂気を過去と現代の両方で暴いている部分だと思います。ヨーロッパの人々は、ドイツ人でなくても、この狂気に関して長年考え、見つめ続けてきたのだろうと感じました。
本書にはナチに志願するスウェーデン人兵士が出てきますが、第二次大戦中、スウェーデンは中立国だったけれど、ナチ信奉者もまた多くいたのですね。一方で、スウェーデンのシンドラーと呼ばれるワレンバーグなどもいるわけですが。

マンケルの小説は、スウェーデンとその他の国々との係わりが背景にあって、やはりそこが面白い。スウェーデンに対する興味が、どんどん膨らんできました。

タンゴステップ 下 (3) (創元推理文庫 M マ 13-8)
タンゴステップ 下 (3) (創元推理文庫 M マ 13-8)柳沢 由実子

おすすめ平均
stars安心して読めます。次回はシリーズ再開を!

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