2008年09月28日

「獣たちの庭園」

「リンカーン・ライム」シリーズが人気の、ジェフリー・ディーバーの単発ものです。
短編集を読んだことがあるけど、ライムもの以外の長編は初めてでした。

最初はやや戸惑いましたが、登場人物や設定に慣れてくると、あとは一気読みでした。
1936年、国家の威信をかけたオリンピックを開催し、来るべき戦争を見据えて、再軍備していた頃のドイツが舞台です。

ヒトラー政権下のドイツを、ジェットコースター式小説の中でどう表現するのか、読みつつこちらが考えてしまいました。街のあらゆる場所に、物理的にも心理的にも傷跡があって、それを説明することでナチス政権下の重苦しさを出そうとしているかのようで、やや読みにくいのです。

この本は、650ページほどの文庫なので、それなりのボリュームですが、私の好みから言うと、主人公の過去やドイツの反政権分子の生活、アメリカの対応をもっと書き込んで読ませて欲しかったかな。
主人公が最後にとる行動が、非常にかっこ良く、かつ悲しいので、ちょっともったいない気がしました。
とは言え、背景の複雑さや、登場人物の多さを思うと、さすがディーバーという面白さではありました。

獣たちの庭園 (文春文庫)獣たちの庭園 (文春文庫)
土屋 晃

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