いや〜。久々に、読んでいて怒りを感じてしまいました・・・。
作品自体の出来も疑問ですが、私には主人公が傲慢に思えてならなかった。
この本から見えてくるのは、自己愛だけです。
もちろん、傲慢さや自己愛は小説のテーマとしては深く面白いものだと思いますが、本書はそれ以前の問題で、傲慢だということに気がついていないのです。
失恋した女性が、料理を振舞うことで再生し、家族との絆も再発見する、というような内容なのですが、著者が本当に書きたかったのは、愛や命などではなく、自分のお気に入りのインテリアで飾ったお店や、得意なちょっと変った料理だけなのではないでしょうか。
"食べる"という関連から、無理やり導き出したような"命"というテーマは、料理を語る部分に比べると、ほんとうは真剣に考えたことないんじゃないかと思うぐらいお粗末なのです。
ふわふわした、寓話的な雰囲気の中で進むわりに、ぎょっとするほど性的でグロテスクな比喩が出てきたり、詳細な豚の解体シーンが出てきたりして、それにも驚きました。"現実"を表現する手段としては、あまりにも・・・。
ある意味、素人が書くとこうなるんだろうか?、という他ではできない貴重な体験をしたような気もします。
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