2009年12月11日

「花紋」

山崎豊子も女性なのだなぁと、びっくりしつつ当たり前のことを感じた一冊でした。著者の作品の中では異色だと思います。

大正歌壇に短い期間だけ登場し、消息を絶った謎の多い美貌女性歌人の、宿命的な半生をたどったものです。
何から何まで激しく、濃い話でした。情熱、苦悶、因襲、憎しみ・・・。
何がと言って、主要登場人物の生き様そのものがすごいのです。創作とは言え、大正時代にはこういう心のあり方もあったのかも知れないと思うと、唸りたくなりました。

主人公は著者の創作で、実在の人物ではありません。こういう人物を作り上げ、ある種すれ違いドラマ的な筋に、大正時代の旧家のあり様や人々の愛憎を絡めるという、私が著者に持っていた印象とはだいぶ違う作品でした。
しかしそこは山崎豊子ですから、時代色は濃厚で記述は重厚。
好みから行けば、他の作品の方が好きですが、これはこれで充分楽しめました。

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タグ:山崎豊子
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