2010年01月25日

「ノーフォールト」

現役医師が書いた医療サスペンスということですが、医療の現場で起きている問題を扱ったリアリティあふれる小説でした。

正直なところ、小説としての出来はさすがに△かな?とも思うのですが、それでもページをめくる手が止まりませんでした。登場人物やストーリーそのものよりも、著者が訴えようとしている、日本の医療の現状が生々しく迫ってきて、息苦しいほどなのです。
医療用語もたくさん出てきますが、わかりやすくてテンポも良いので、そういう面では非常によく書かれていると思いました。

医師が不足したり、必要な病院が閉鎖になってしまう現状は、これは国の政策の責任だろうと思うし、そんな中で過酷な労働条件を強いられている医療関係者はほんとに気の毒だと思います。

同時に、医療過誤のニュースなど見ると、ほんとのところはどうなんだろう?という疑問も湧く。
本書のタイトル「ノーフォールト」、何のことやらわからずにいましたが、ミスではないのだ、力を尽くしたがだめだったのだ、ということなのですね。
患者としては、たまたま下手な医者にかかってしまった、なんてことになったら、泣くに泣けない。しかし優秀な医師であったとしても、"どこからが過失なのか"の判断は、非常に難しいと思われる。
著者が書かれているように、「無過失補償制度」は何としても必要だと感じました。
そういう現状を知ることができた、という意味でも、本書を読む価値は120%ありました。

ノーフォールトノーフォールト

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タグ:岡井崇
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