2011年04月24日

「コッツウォルズでティールーム」― イギリスのお菓子に出合う

英国人が「こころのふるさと」と呼ぶ憧れのコッツウォルズで、ティールームを開いた著者が、その経緯や想いをレシピとともに綴った本です。

ティールームを開業するまでの話は、正直なところ特に惹かれるところはありませんでした。
けれど、コッツウォルズで暮らす地元の人たちとの交流を通しての部分、イギリス人が大切にしていることや、彼らにとってのお茶がどういったものなのかなどは、しみじみとしていて、わりと面白く読めました。

一番好きなのは、父と息子がお茶を飲む、というシーンが書かれているところ。
ただふたりでお茶を飲む。特別な会話もわくわくするイベントもおもちゃもゲームもないけれど、満ち足りた時間。
こういう時間を持つことができるって、良いなぁと。

印象的だったのは、現地の農家、ゲーリーさんが著者に語る言葉です。
「大地に敬意を」
「互いが互いを必要とする、その自然の掟を無視してはだめ」

世界一といわれる羊毛がコッツウォルズに富をもたらし、中世の裕福な商人達の富の証がこの町並みなのだと。羊の世話をすることが土地を守り、ゆくゆくは環境保護にもつながる。土地を健康にすることが何よりも大切なのだ。
という話なのですが、この素晴らしい循環は羨ましいというか、さすがというか、日本の田舎も(すでにやっておられるところもあるでしょうが)真似して、美しい日本をもっと残してほしい、と思ってしまいました。

お菓子のレシピも(写真も)載っています。
定番といわれるようなお菓子を、コルドン・ブルーで学んだ日本人である著者が作ったレシピですので、ちょっと興味深々。
英国一のティールームに選ばれた著者のお店のお菓子ですから、英国人も美味しいと感じているのですよね。休日にでもお菓子を作って、お茶を楽しみたいと思います。

コッツウォルズそのものや英国でティールームを開業する云々、という面では物足りないと思いますが、ちょっとしたエピソード付きのお菓子のレシピ集、という位置づけなら、まぁまぁの本ではないかと思います。

コッツウォルズでティールーム―イギリスのお菓子に出合うコッツウォルズでティールーム―イギリスのお菓子に出合う
宮脇 樹里

文化出版局 2008-11
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タグ:宮脇樹里

2006年09月03日

「フランスパン・世界のパン 本格製パン技術」

"パン作りたい病"が出たら、いつも飽かずに眺めている本です。
どちらかと言うと玄人向けなので、家庭で作るパンのための製法やコツが載っているわけではありません。
パートフィナルだの、パートフェルメンテだの、何それ?みたいな単語が出てきて、最初はよくわからなかった。

でも見慣れれば、不思議となんとなくわかるようになってくる。
すると面白さ倍層で、見れば見るほど面白く感じられる本なのです。

フランスパンとひとくちに言っても、いろんなものがあって、歴史と共に変わってきていて、背景には地域の特性や流行があるんですよね。
ひとつひとつのパンについて、作り方とともに、その特徴や簡単な歴史も紹介されていて、そのへんも面白いです。

実は私は、まだろくにパンを焼いたこともない段階でこの本を買ってしまいました。しかも数少ない経験は自家製酵母によるもの。
よくまぁ、こんな高くて難しげな本を、と今更のように思うけど、買ってよかった。

最初の数ページを割いて書かれている、粉や酵母に関する詳しい説明と、その後に続く、おいしいフランスパンとは?みたいな部分は、素人にもわかりやすく勉強になります。
それに、さすがドンクという信頼感。よいフランスパンを作りたい、という気持ちと、職人の誇りみたいなものが本全体にあふれていて、パンへの愛を感じます。

作業工程については、パン生地の状態がよくわかる写真と配合が同じページに載っていて、見やすくわかりやすい。
だいたい見開きでひとつのパンを扱っているので、全体やクラムの様子がよくわかる大きな写真と見比べれば、この配合でこの作り方、で、こんなパンになるのね〜、と私は感動しつつ眺めているわけです。

当然ですけど写真もきれいで、パンが好きな人には飽きない良い本だと思います。

フランスパン・世界のパン 本格製パン技術―ドンクが教える本格派フランスパンと世界のパン作り
フランスパン・世界のパン 本格製パン技術―ドンクが教える本格派フランスパンと世界のパン作りブランジュリーフランセーズドンク

おすすめ平均
starsさすがドンク!圧巻です。
starsフランスパン♪
starsむずかしいかな

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タグ:パン作り

2005年11月13日

「裸のシェフ」

深夜のTV番組で人気だった、一風変わった料理番組です。
はじめて見て以来、ハマりましたー。

だって、「え、この人がシェフ?」という、そこらへんで遊んでそうな若者が、ぺらぺらしゃべりながら、なんだかお気楽な様子で、さらさらとお料理を仕上げていくんです。
実際、途中まではこの人がシェフなのか半信半疑で観ていました。
けれど、手さばきはさすがにシェフ。
そのギャップがクセになるんです。

スクーターに乗ってお肉屋さんへ行ってみたり、キッチンの窓の外から、ぷちっとミントを摘んで飾ってみたり、そんなジェイミーの素朴で飾らない雰囲気がとっても良いんです。
料理に興味がなくても充分楽しめます。

こういう番組を見ると、やれ○○がカップ何杯、○○が小さじ1杯、だなんて言ってるのが、逆に滑稽に思えてくるほど。
もっとおおらかに、楽しく作って食べてしゃべって、という気分になってくる。
まぁ、基礎がない人がそれをやったら、悲惨なだけかも知れないけど・・・。

出てくる料理はけっこうシンプル。
すぐに真似したくなるようなのが多いです。

裸のシェフ ― ジェイミーのシンプルクッキング DVD-BOX
B00006AGIUジェイミー・オリヴァー

おすすめ平均
stars楽しく♪クッキング♪
starsジェイミー、あんたカッコよすぎ
stars料理番組の革命?
starsジェイミーがとにかくカワイイ
stars作ってみたけど、おいしいです!

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タグ:DVD

2005年10月29日

「101の幸福なお菓子」

実は山本麗子さんについては、あまり知らなかったんですが、お菓子だけでなく、お料理でも活躍されている方なのですね。

この本、親しみやすいのに、プロっぽいところが良いです。
レシピのほか、材料や道具のこと、ちょっとしたコツなど、痒いところに手が届く感じで助かります。
なんと言うか、著者のお菓子に対する愛や哲学を感じました(大げさだけど)。

私はお菓子作り初心者なので、どれもとっても参考になったのですが、一番気に入ったのは、巻頭に載っている「いちごのショートケーキ」。
ああ、こんな風にすれば、素人でも見た目の良いデコレーションができるのかと。もうケーキのデコはこれ一本やりです^^。
そして、ジェノワーズ生地の美味しいこと。
街のケーキ屋さんのケーキも良いけど、こういうしっかりした味わいのケーキ、自分で作らないと味わえませんよね。
この本、買ってよかった〜。

101の幸福なお菓子―最高に楽しい時間のための、とっておきのスイート
4062083256山本 麗子

おすすめ平均
starsおすすめ!!
stars十八番が見つかる一冊です。
starsきっとほんとに101回幸福になれるお菓子の本?
stars親しみやすい!おいしい!
stars大人も喜ぶレシピ

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2005年07月11日

「発酵は力なり」

自称、食の冒険家、小泉武夫教授の著書です。
テレビで何度か見かけて、面白い人だなぁと思って気になっていたのですが、著書を読むのは始めてでした。

解り易く、読みやすかった。
発酵というと、化学式だの、難しいことがいっぱい出てきそうですが、この本はそんなこと全然わからなくてもOKです。
テレビ番組を見ているようなノリと言ったらいいでしょうか。
日本の発酵食品の歴史と知恵や、アジアの発酵食品との違いや、難しいこと抜きでババーッと出てきて、楽しく「知る」ことができます。
微生物って、すごい。
なんだか、すごく微生物好きになってしまいそうです。

印象的だったのは、「地獄の缶詰」!
臭い食べ物、私は恐い!
でも、その臭さを、なぜ人が好むのかまで解き明かされていて、へへー、と思いました。

最終章では、微生物が世の中をどう変えていくことができるのか、とても興味深い提案がたくさん載っていて、未来に希望が持てます。
環境、食糧難、健康、それぞれの課題を、こんなに素晴らしい方法で解決できるなら・・・。
とりあえず、生ゴミで堆肥を作りたくなってきます。
そして、納豆は賞味期限など気にせず、ばんばん食うぞ、という気になります。

発酵は力なり―食と人類の知恵
4140841834小泉 武夫

おすすめ平均
stars提言に真実味

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2005年06月26日

「パンを楽しむ生活」 − おいしいおはなし

この本はおいしいです!
もちろん、「味」のことです。

料理関係の本はピンからキリまである。好みもあるだろうけど、あんまり美味しくない本だってある、と感じています。
この「パンを楽しむ生活」は、味も、わかりやすく親切な作り方(ほんとにわかりやすい!)も、添えてある文章も、全部おいしい。

私はスコーン狂なのですが、この本のレシピは、海外でスコーンに出会ったときの衝撃の美味しさに一番近かった。
このレシピで一度作ってからは、ほんとに狂人のように毎日スコーンを焼いてしまいました。

その他にも、中華の割包、パンに合うお惣菜やスープ、ジャムなどどれも丁寧に紹介されていて、何度も開いてみたくなります。
巻末の修行話も面白い。

個人的には、ちょこちょこ登場するお嬢さんの、パン作りを手伝っている風景がとっても可愛かった!
暖かい家庭と、楽しい生活のお裾分けをしていただいた気分です。
一見なんてことないタイトルだけど、まさに「パンを楽しむ生活 − おいしいおはなし」なんです。

紹介されているパンはもちろん、写真、文、何をとっても出来の良い、素晴らしい本だと思います。
良い本って、そこに載っているもの以上のものを伝えてくれるんですよね〜。
きっと著者の人柄と、そこに築かれた人間関係などが、滲み出してくるんでしょうね。
大好きな本です。

徳永久美子のパンを楽しむ生活―おいしいおはなし
4391127105徳永 久美子 主婦と生活社

おすすめ平均
stars結局はまってしまった1人です。
starsパンつくりって楽しそう!
starsおいしい「パン」が焼けるよ!!
starsこんな本が欲しかったのです!
starsパンつくりが簡単、楽しい、本

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2005年06月24日

旅して見つけた ベトナムとタイ 毎日のごはん

いや〜、これは良い本を見つけた!
即買いでした。
タイヤベトナム料理の本はたくさん出てるけど、これは文庫本。

どこが気に入ったかと言うと、料理のメニュー本なのに、"旅の雰囲気"が味わえるところ。
日本人用にアレンジしてない、ほんとうの現地の「毎日のごはん」だからだと思います。

食欲と共に旅心もくすぐられ、同時に、家族で囲む食卓の情景が浮かんで、なんだか甘酸っぱい気持ちになれます。
特に、そういうことを書いてあるわけじゃないのですが、ちゃんと作られた美味しい食事を、家族みんなで、なんだかんだ言いながら食べる、そういうことの豊かさが沁みてきます。

多分、昭和の日本にかぶせて想っているのかな。
そういう感覚、アジアを旅するとありますよね。

99のメニューと、エッセイが少し。
旅情をくすぐる写真と、食欲を刺激する写真。
ちゃんとした食事しよう、と思える本でした。
そして、あの旅の途中で食べた美味しいもの、こうやって作るんだ!という発見。
アジア好きな人は、きっと気にいると思います。

ベトナムとタイ 毎日のごはん
4086500892平松 洋子


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